新鮮なナガスクジラの肉が日本で約50年ぶりに競売にかけられ、木曜日には1キログラム当たり1,300ドルを超える価格で落札された。
これは、高まる課題と批判の中で鯨肉への関心を復活させようとしている日本の捕鯨業界にとって重要な瞬間となる。
札幌魚市場と下関港で行われた競りには、北海道沖で捕獲されたナガスクジラの肉1.4トンが出品された。
当局によると、「尾身」と呼ばれるこの尾の肉は下関で1キログラム当たり1312ドルの最高値がついたという。
「クジラは大きいほど味が良いと聞いています」と市職員の峯添亮さんは言うが、自分では食べたことがないと認めた。
ナガスクジラはシロナガスクジラに次いで2番目に大きいクジラ種だが、乱獲のため以前は保護されていた。
なぜナガスクジラが再びメニューに登場したのか?
日本の水産庁は、北太平洋における個体数の回復を理由に、ナガスクジラを合法的に捕獲できる種のリストに追加した。
この動きは、日本が2019年に国際捕鯨委員会(IWC)を脱退し、排他的経済水域内での商業捕鯨を再開したことを受けて行われた。
日本は今シーズン、ナガスクジラ30頭を捕獲したが、これは割当量60頭の半分にあたる。また、ミンククジラ、ニタリクジラ、イワシクジラを合わせて294頭を捕獲したが、これは年間割当量379頭を下回っている。しかし、自然保護論者は懐疑的な見方を続けている。
イルカ・クジラ行動ネットワーク代表の倉沢七海さんは、日本近海でのナガスクジラの生息数に関する研究が不十分だと主張し、ナガスクジラの捕獲に反対している。
捕鯨関係者は、大型クジラを効率よく捕獲することが業界の存続を支えていると主張しているが、批評家は乱獲と気候変動がクジラの個体数に対する潜在的な脅威であると指摘している。
日本は捕鯨産業を維持できるか?
歴史的なルーツにもかかわらず、現代の日本では鯨肉の需要は減少している。水産庁のデータによると、消費量は1962年に23万3000トンでピークに達したが、その後は年間2000トン程度にまで急落している。
当局は供給量を5,000トンまで増やすことを目指しているが、専門家はこの目標の実現可能性に疑問を呈している。
「毎日食べるものではなく、珍味です」と大阪の国立民族学博物館で先住民族の捕鯨を研究する岸上信宏氏は言う。
同氏は、鯨肉は他の肉よりも高価であり、伝統的な捕鯨の町以外ではほとんど消費されないと指摘。政府からの相当な補助金がなければ、鯨肉産業が持続可能かどうか疑問視している。
論争と批判は続く
日本が商業捕鯨に復帰したことは国際的な批判を招いている。
日本が南極海での「調査捕鯨」計画を終了して以来、反捕鯨運動は減少しているが、自然保護論者は依然として声高に主張している。ナガスクジラは乱獲を理由に1976年にIWCにより保護対象に指定された。
このオークションは、日本の捕鯨産業を存続させ、経済的利益と自然保護論者の懸念とのバランスを取ろうとする幅広い闘いを反映している。変化する日本で鯨肉の需要が復活するかどうかは不透明だ。